小林正人は1957年東京生まれ。1984年東京藝術大学美術学部絵画専攻、卒業。1997年から10年間ベルギー、ゲントにて制作活動を続けたのち2007年から広島県福山市に拠点を移して制作しています。
主な個展に宮城県立美術館(2000年)、ゲント市立現代美術館(2001年、ベルギー)、テンスタ•クンストハーレ(2004年、スウェーデン)、高梁市成羽美術館(2009年、岡山)、「ART TODAY 2012 弁明の絵画と小林正人」セゾン現代美術館(2012)。2010年にはポーランド、ポズナンでの "メディエーションズ•ビエンナーレ"(ポズナン国立美術館他にて開催)と広島市現代美術館にて、それぞれの場所に距離を超えてつながるペア作品を1点ずつ展示し、その後の「LOVE もっとひどい絵を!美しい絵 愛を口にする以上」というシリーズでは、美しい絵画への疑問を投げかけました。
本展は、シュウゴアーツでは約2年ぶりの個展となります。
ラスコーの壁画、ナポレオン像、ピカソのゲルニカ、、、「馬の絵」として思い浮かべるのは、何の絵でしょうか。描き尽くされたかのように思える古典的なモチーフである「馬」の絵を、小林正人が今、描きます。
しかしそこに描かれた馬は、権力の象徴としての馬でも、生活の友としての馬でもなく、「ただの」馬であり、「名もなき」馬です。そこにたたずむ一頭の馬は、描かれることで息を吹き込まれ、毛並みも艶やかに、気品のある潤んだ瞳でじっと前を見つめます。
画家の自画像でもあろう数点の馬の絵を、女性や星が描かれた絵と同義に捉え、この星の絵具で描かれたこの星の家族として、他の作品と同列に並べ展示します。それは「LOVE もっとひどい絵を!美しい絵 愛を口にする以上」シリーズでも言及しているように、より自由で開放的な絵画のあり方を提示します。
作家の手によって既成概念の枠から外され、自由を手に入れた絵を前に、私たちはどう反応することができるのでしょうか。
SHUGOARTS
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