ニューヨークの貧しい移民の暮らしを取材した写真家のジェイコブ・リース(1849~1914年)は、移民の子供たちが、英語のできない両親の通訳としてさまざまな用事をこなす様子を見て、母国とアメリカをつなぐ橋渡し役として彼らを「ゴー・ビトゥイーンズ」と呼びました。
異文化をつなぐ子供はまた、しばしば遊びや空想を通して、現実と想像の世界を横断します。大人の常識や枠組みに縛られない子供の発想 は、より多面的な世界のあり様を表すことができるのです。
本展では、このような文化や意識の境界を横断する子供の性質に着目し、子供を媒介者、あるいは世界をのぞく窓として捉え、そこから見えてくる社会の諸相を観察するとともに、新たな視点で私たちの生きる世界を展望します。多様なバックグラウンドをもつアーティストの作品に表れる子供のイメージを通して、教育、政治、グローバリズムなど、子供を取り巻く社会的な要素を考察するとともに、遊びや夢、記憶などをキーワードに、子供のさまざまな感情に迫り、さらには現実と想像の世界、大人と子供など、その境界の曖昧さに着目します。
【出品作家(予定)】
クリスチャン・ボルタンスキー(フランス)
リネカ・ダイクストラ(オランダ)
テリーザ・ハバード&アレクサンダー・ビルヒラー(アイルランド/アメリカ、スイス)
近藤聡乃(日本)
ジェイコブズ・リース(アメリカ)
塩田千春( 日本)
ウォン・ソンウォン(韓国)
山本高之(日本)ほか
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