緊張感とユルさの絶妙なバランスを統率しながら展開されるのが、小笠原徹氏のイラストレーションです。現代美術を思わせる繊細な線画から、クレヨンを無造作に操ったかのような未完の味に近いものまで、描画スタイルはボーダーレス。アクリル絵具、水彩、コラージュなど様々な手法が自在に織り交ぜられ、独学で切り拓いた流儀だからこそ持ち得るブレイクスルー感覚をもって、玄人と素人を問わずに幅広く共鳴を獲得してきました。空間構成や筆致と痕跡のライブ感が、彼にしか発せられない身体性や肌触りといった固有の魅力をスリリングに放ち、見るもののイマジネーションを揺さぶります。
本展は、小笠原氏にとってGALLERY SPEAK FORでの3年ぶりとなる個展です。アーカイブ中心の内容だった前回、また線画をメインにした2年前の個展とは全く違い、ほぼ描きおろしの新作ペイント作品だけで構成されます。「魔法の世界の住人っぽく、不思議な雰囲気が好き」と、彼がモチーフに多く登場させる「ねこ」がタイトルにつけられました。原色づかいを基本にした、野趣溢れるタッチと配色の面白さが小笠原氏の最新形をありありと伝えてくれるでしょう。
大小の原画約40点を展示・販売するほか、TシャツやZINEなどオリジナルグッズ、関連商品も販売いたします。
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