バス停がある。ドイツのどこかに。アルツハイマーや認知症を煩う人々の看護施設の前。
逃げた患者はそこで見つかる。彼らは帰るためのバスを待っている。
ただし、それは本当のバス停ではない。
つくりごと。
レプリカ。
プラシーボ。
" 心理的効果だけの気休め薬;ある薬の薬効を実験するために服用させる偽薬。"
練習のために運転しているこの車があなたの一部にならないといけないと教習所の先生は言う。 歩く時に足を動かしていることを普段考えないでしょう?と彼女は訊いてくる。 そして先生も自分の質問に答える。[はいはい] そのまま足を動かしてみて。そう、そんな感じ。左足を前に出してから右足を前に出す。左右。 左右。
左。右。 左。 右。
運転は疲れるということを思い出す。 絶え間ない流れ、次の動きを意識する。左。右。左、そして右。 もはやこの一連の行為を意識できない。 私は機械の一部になったのだろうか?
概念的に間違っている。
全く間違っている。
だからグーグルグラスは完全に間違っている。 でも、スタジオのベネチアンブラインドから覗きたくて仕方がない。外に停めてある自分の車を見 る。大丈夫かな、と念のために確認する。何が大丈夫なのかはわからない。今日は晴れている。 快晴。日焼け止めを塗ろう。 交通監視員が路上の車を全てチェックしているのが見える。私の車を見ている彼を見る。
今私は可能性を数えている。
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