シュウゴアーツでは、金氏徹平個展「フライド幽霊とボイルド空想」を開催いたします。
今回の個展タイトルは、ともに実体のない物を調理方法でとらえているもので、"ゲゲゲの鬼太郎"に登場する「人魂の天ぷら」と、小説の一ジャンルを言い表す「ハードボイルド」という言葉と関係している、と金氏は言います。
一昨年から昨年にかけての北京やシンガポールでの滞在制作を経て、都市が形成されていくこととその中で日々起きる出来事、美術の新しい流れが生まれてくる状況、個人の創作活動、などの関係について考えたという金氏。さらにシンガポールではSTPI (Singapore Tyler Print Institute)にて版画(プリント)の技法に濃密に取り組んだことで、イメージと物質の関係をより強く意識するようになり、特にコラージュに対する考え方が更新されたと言います。
今回の個展では、これらの新しい経験を踏まえて、特に昨年から取り組んでいる平面のGray Puddleを中心に、個人的な、もしくは共有されている、幻想や実体のない現象 (例えば、ヤクザ映画の血、様々な漫画の物語から切り離された物のイメージ、漫画の制作に用いられる雰囲気や光や陰影や音や速度を現すスクリーントーン、形を成さない石膏、高速で流れ変化する風景、レンチキュラーの断片など)をモチーフにして、さらにそこに形や重さや生々しさや空間性を与えるような絵画や彫刻を発表致します。
今年9月には、シンガポールSTPIにて、昨年滞在制作した80数点の作品を展示する個展を予定しております。
SHUGOARTS
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