タカ・イシイギャラリーでは、3月22日(土)から4月19日(土)まで、武田陽介個展「Stay Gold」を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでの初めての個展となる本展では、2006年から2014年にかけて制作された写真作品のなかから、代表作約14点を展示いたします。
武田陽介は1982年愛知県に生まれ、2005年に同志社大学文学部哲学科を卒業しました。大学在学中、武田は銀塩写真の暗室作業に没頭します。しかし、印画紙の生産中止等、従来の銀塩写真の制作が漸次的に困難になる状況が、作家に写真というメディウムに対して自覚的にならざるを得ない転機をもたらしました。私たちが像を見るという行為は変わらないながらも、像を定着させる支持体が大きく変化しようとする真っただ中にあって、写真を制作し続けるとはいかなることかという、極めて大きくも繊細な応答が必要とされる問いに武田は挑むようになります。
以降、銀塩写真からデジタル写真へと移行した武田の、写真というメディウムに対する透徹した制作意識を湛えた作品群は、その独特の構図から導かれるフラットな画面とともに発表時から高く評価されてきました。印画紙に像を定着させるという行為と、デジタルデータをモニターディスプレイで操作するという行為の間に立って、写真の可能性を探り続ける作家の現在進行形の姿を、この機会に是非ご高覧ください。
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