風景や人物など表層的なモチーフの美醜だけではない、被写体の奥にある生々しい情景を捉えられる写真家として、国内外で注目を集めてきたのが笠井爾示氏です。
ナン・ゴールディン氏に見出され、荒木経惟氏に感化される形で写真集「Tokyo Dance」を発表した90年代半ば以降、その写真哲学は自身の作品かコミッションワークかを問わずに一貫しており、数多くの女優・俳優やタレント、ミュージシャンなどが、彼のファインダーの前で内面をさらすことを許してきました。
本展は、笠井氏が2013年12月に刊行した写真集「MUSCOVITE」(モスコヴァイト)を受けて開催されるものです。「MUSCOVITE」とはモスクワのガラス、結晶の意とともにモスクワ人を指す言葉。女優・真木よう子をモスクワ郊外などで撮影した内容です。別荘やホテルの室内、地下鉄などのプライベートシチュエーションで捉えられる自然な彼女の姿は、笠井氏の「FUJI FinePix X100」によるスナップ写真のライブ基調と、ドキュメンタリーアプローチでの視線で包まれ、風景との呼応も活性化。ひとりの女性としての生命が主人公となり、これまでのタレントグラビア的な話法とは次元の異なる真木よう子の魅力が引き出されています。
モスクワのシティスケープ、ポートレートなどを織り交ぜ、本展のために制作される半切サイズのオリジナルプリント約30点で構成。プリント作品は全て販売いたします。また、写真集など関連アイテムも販売いたします。
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