約4年ぶりとなる中村ケンゴ個展「心文一致 "Ourselves in Today's World"」を 開催します。
中村ケンゴ(b.1969)多摩美術大学で日本画を学んだ後、1995年に同大学院を修了しました。2013年はルチアーノ・ベネトンコレクションによる企画展示、「イマゴ・ムンディ」展や、東京都現代美術館で開催された「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」展に出品するなど、現代を代表する美術作家のひとりとして国内外で活躍の場を広げています。
今展で中村ケンゴは、2012年から取り組んでいる「Emoticon」(顔文字)シリーズの最新作を発表します。
欧米ではEメール等で使用される顔文字のことを、Emoticonと称します。
明治以降の日本で、書きことばを話しことばに一致させようと試みる言文一致運動が起こった理由のひとつは、思想・感情を自由的確に表現するためでした。
時代は流れ、メールによるコミュニケーションが当たり前になった今日、私たちは顔文字を使い、emotion(感情:心)をそのままicon(記号:文)することで、相手に自分の自意識を伝えようとしています。
「Emoticon」シリーズでは、コミュニケーション手段が発達すれば発達するほど、むしろ孤独を感じる現代人の、人と繋がって いたい、人に理解されたいと強く願う、「自分」を生きる切実さ、あるいはその裏腹の軽さが、美しい画面の上にリアルに浮かび上がります。出展作品は、中村ケンゴのディレクションにより2013年12月に開催される伊勢丹新宿店での企画展「GIFT of ART」で展示された100 x 80.3cmの大作3点と、新たに発表される、F4号(33.3 x 24.2cm)、F3号(27.3 x 22cm)を中心とした小品群で構成されます。
数々のモダニズム絵画からインスパイアされながらも、現代を生きる自分にとってリアルな感覚を描き続ける中村の姿勢からは、現在の日本で絵画を制作するということの困難さと可能性を同時に見出そうとする強い意志が感じられます。中村ケンゴ の最新作に是非ご期待下さい。
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