山本桂輔は大学で彫刻を専攻した事から、今まで立体と平面を交えたような絵画作品を多く制作してきました。盛り上がった絵具はさながらレリーフのような凹凸を持った画面を作り上げ、色彩や空間がその都度探求のテーマとして、山本の絵画に彩りを添えてきたのです。
今回の「Taro」では、今まで描いて来た作品のモチーフに視点が注がれています。キノコや女性、植物など、彼の定番のモチーフは日本的プリミティブさとも言える趣を呈していましたが、今回彼はそこに自覚的に取り組んで行こうとしています。世界各地で栽培されている芋の一種、タロイモと、日本で昔から男子に付けられる名前、太郎から今回タイトル「Taro」は取られています。自らを探って行くとどうしようもなく民族性と向き合う事になる。その事を自覚した上で、タロイモの様にそれぞれの環境に適してゆくグローバル性等を交えながらも、この時代に強度を持つ絵画表現とは何か、その本質への彼なりの解答をご覧いただきます。
今回はドローイング10点程と、紙の彫刻3点程を展示する予定です。
〒550-0003 大阪府大阪市西区京町堀1-17-8 京ビル4F
TEL: 06-6448-3167