ヴァルダ・カイヴァーノの作品は、絵画、そして抽象という絵画の言語の可能性を追求するものです。彼女の比較的小さい作品は、色、空間、線、トーン、素材や筆触、奥行きや密度といった要素の選択と組み合わせについての実験、観察、熟考、発見、そして決断というプロセスの結果により生まれます。この注意深く、かつ自然発生的な旅が、ひとつひとつの作品そのものとなっているのです。
彼女の作品は風景を想起させ、またそこには過去一世紀半の美術史の痕跡をみることができますが、「これまでに作られた、既に存在しているイメージを描いているのではなく、純粋に絵画を追求する絵画であり」、稀少な真の抽象画である、と批評家バリー・シュワブスキーは述べています(Art Forum 297頁、2011年5月)。
バリー・シュワブスキーは、2011年にVictoria Miro Galleryで開催されたカイヴァーノの個展について、「この展覧会"Voice"において、カイヴァーノはロンドンで最も将来を約束された若手ペインターから、年齢、地域に関わらず、現在最も優れたペインターのうちの1人へと変身を遂げた。」(Art Forum 297頁、2011年5月)と述べました。
その後も彼女は国際的に作品を発表し続け、現在は第55回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の企画展「エンサイクロペディック・パレス(The Encyclopedic Palace)」に出品しています。
「In the Studio」と題された今回の展覧会は、その後に初めて開催される個展であり、新作のペインティングや初めての発表となるドローイングも出品されます。
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