私の絵画は、異国を旅して触れた、美術とはおよそかけ離れた日常の光景を美術として再現する試みである。キャンバスに貼付、また描かれた布地は生活、熱気、喧騒といった生のメタファーである。布地の模様は異国の文化の象徴であり、そこには日本人として感じる文化的差違に対する違和感があらわれる。私の試みは、古典的な透視図法に根差しながら、均衡と不均衡の狭間に無重力空間を表出させ、観客の感情を永久に着地させないことである。
作家 坂本佳子
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