2011年に南條俊輔フランソワ氏の個展を開催してから2年が経ちました。
今回の展覧会は、昨年、フランスのオリヤック市美術館で発表したFantomes/ファントム"幽霊"(参考写真-3)、とHypermnesia/ハイパームネシア"記憶亢進"(参考写真-4) の2つのインスタレーション作品を継承したものとなります。これらの作品は、前述の観客参加型の仕掛けが更に強調され、完全にインタラクティブなプログラムを伴っています。その為コンピュータープログラマーや、サウンドクリエイターが加わり、3人のユニット作家としての製作という形態に変化しています。とはいえ、作品のテーマと方向性は勿論南條俊輔フランソワ氏によるものです
今回は南條氏が常にテーマとして持ち続けている、「記憶」についての考察が視覚化されます。この作品は作家の実祖父の記憶にまつわる、様々な要素を核として展開しています。祖父から孫への「記憶」の伝承という行為の中、個人の記憶という過去のノスタルジアは姿を変え、新たな体験下で再生された記憶に変化してゆきます。このプロセスは、あたかも人生そのものであり、世代を繋いで行く絆としての記憶について、深く考えさせられます。
この作品は作家の実弟である航空工学の機械設計師である南條クリストフ氏と、二人の友人の、ニコラ・シャルボニエ氏との3人のコラボレーションで製作されました。
東京都中央区築地3-2-5 第2平和田ビル
TEL: 03-5848-7172