蛭子未央(1987年・東京生まれ、武蔵野美術大学卒業)は、昨年2月にBambinart
Galleryで初個展"おいしい軟水"を開催、その後、十和田市現代美術館で開催された奈良美智展の連動プロジェクト「青い森のちいさな美術部」に公募で選ばれ、12月から2013年1月にかけて十和田市現代美術館周辺中心商店街ほかで開催された展覧会「森をぬけて。」に参加しました。また5月より別府プロジェクト運営のアーティストインレジデンス「清島アパート」に滞在、現在に至るまで別府で制作を続けています。7月には東京オペラシティアートギャラリーで開催された「アートがあればⅡ」に出展するなど注目の若手アーティストです。
蛭子が描く絵画の視覚的な特徴としては、線や面で仕切られたコンポジションではなく、絵具の特性である滲みや濃淡、組み合わせによる色の変化などを用いて形を表そうとしています。それによって、絵に揺れるような動きの効果がありますが、それは蛭子が絵画の世界を静止した世界と捉えず、現実世界と同等のものと考えているからでしょう。
実際、蛭子は自らが動きながら見るイメージ、あるいは対象そのものが動いているイメージを好んで描きます。それらは蛭子の中でいきいきと存在しており、そのことが蛭子にとっては描く対象が持つ絶対条件となっています。それは言い換えれば、しっかりとした構成で作画することによって失われてしまうイメージの感触を描いているとも言えるでしょう。
本展では、滞在先の別府や旅行先のタイ王国を中心に、日差しの感じられる光景を描いた絵画を発表します。
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