髙橋涼子は1980 年大阪生まれ、2004 年京都精華大学芸術学部造形学科版画専攻卒業後大阪を中心に発表を続け、関東では09 年のフランス大使館でのグループ展「Voalà Vantan !」や10 年の群馬青年ビエンナーレでの展示が記憶に残り、11 年の私たちのギャラリーでの東京初個展はインスタレーションとパフォーマンスにより好評を博しました。
今展では、記憶の中にある忘れられない言葉を刺繍にした作品を中心に展示する予定です。作品は作家自身のものも含めて女性の人毛が使用され、女性の身体の一部として、ある時には女性美の象徴となりますが、切り取られた瞬間から死を象徴するものへと転換します。
しかし髙橋はその切り取られた素材を用いて、その素材を再び女性らしい美しさと繊細さをそなえた作品へと生き返らせ、作品そのものに生と死、美と醜という両義性を内包させた作品として提示します。そうした作品は、見る者にはそれと意識しなければ単にコンセプチュアルな作品として映り、人毛で出来ていると意識した途端ある種の生々しさを感じさせ、アンビバレンスな状況へと導かれます。
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