須永有(すなが・ある、1989年群馬県生まれ)は、これまで2010年に「現役美大生の現代美術展 Produced by X氏」展(Kaikai Kiki Gallery、Hidari Zingaro/東京)、「GEISAI TAIWAN#2」(華山創意園區/台北)、2012年に「TRANS ARTS TOKYO」(旧東京電機大学11号館・Bambinart Galleryルーム/東京)、とグループショウに参加し、本展が初個展となります。
須永は、小説などの文章から無作為に一節を選び、その一節から呼び起こされるイメージを描いています。無作為に選ぶのは、そうすることで全体の内容や前後の文脈から切り離され、物語性を失った単なる言葉の組み合わせになるからです。それを外的刺激とすることで、自らの記憶の中のさまざまな映像を脈絡なく取り出し、描くことができます。結果、須永自身にとっても、思いがけないイメージが現れることがあります。
これらは、須永にとって現段階での命題「イメージは、私の中のどこから生まれ、どのようにして呼び起こされるのか」に取り組むための一つの方法となっています。
こうして描かれたイメージは、須永の記憶に残るほかの誰かが生み出したイメージなのでしょうか。主体と客体が永遠に連鎖し続けていく、その真っ只中に飛び込むことで、須永は何らかの手掛かりを得ようとしているのでしょう。
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