この度メグミオギタギャラリーでは、2010年第一回SHOWCASESHOW、2012年「bird is watching you」に続く、3回目の伏黒歩個展を開催します。
2003年に多摩美術大学絵画学科版画専攻を卒業した伏黒歩(1977年生)は、油絵具の飛沫やムラを変幻自在に操り質感を活かした油彩画と、対象をリズミカルに迷いなく描き出す水彩画を制作し続けてきました。
伏黒の絵画に共通する特長は、描こうとする対象物を、シルエットで捉えていることです。
これまで彼は対象となるモチーフに、鳥や、花と共に縦横に枝を伸ばす樹を、多く用いてきました。
自然の中に根を張る草木や、飛ぶための翼しかついていない潔い鳥の造形は、彼にとって、余計なものを排除した後に残る"純粋さ"の象徴でもあるのです。
無駄を削ぎ落とされ浮かび上がる鮮やかな輪郭は、夜の暗闇を舞台に展開する幻想的な影絵の物語を思わせます。
今回の個展では、2008年から2013年にかけて制作された未発表作品を含む水彩画約11点と油絵約3点に加え、作家初となる「人物」を描いた新作を展示します。
何かに集中している人に、特別なものを感じるという伏黒の手によって描き出された「人」は、鳥や花と同じく純粋な存在としてのシンプルな輪郭を浮かび上がらせると同時に、私たち人間の内側から発信される力強さを感じさせます。
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