今回開催いたします尾家杏奈展は、ワダファインアーツでは、3回目の個展となります。
26歳の若さで幾つかの登竜門たるアートアワード(第 1 回損保ジャパン美術賞 Face2013、VOCA 展2013、他)でも入選を果たし、又昨年は、北京での滞在製作や、国内でのアーティストレジデンスにも参加し、国内外での活動の幅を広げ、着実に作家としての歩みを続けています。
こうした活動の中で、描き続ける作品はジャンルにとらわれず、又時代に捕われない独自性をもって完結しています。作品の画面に登場する人物や動物は、曖昧なフォルムで描かれており、それでいて確信的に何かを写しとろうとしている様に見受けられます。
おそらく第3の目を通して見える多様な「夢の断片」、「意識」、「思考」、等、形のない世界を画面に再現しようと試みている作業なのではないでしょうか。そこには言葉では説明し難い、ビジュアルアート故に表現できる世界観が繰り広げられています。
又、荒々しいタッチで確信に満ちて描かれる画面からは、自己欺瞞や排他的な感情は見受けられません。むしろ清々しい嫌みの無さが感じられ、ここに、作品としての普遍的な魅力と風格が既に備わっていると感じとれます。
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