色鉛筆画家である夏目康平(1988年生)は、十代半ばより絵を描き始め、2008年のアイスランドでのグループ展、その後のネパールでの滞在制作等、国内外を問わず精力的に制作活動を続けています。
夏目康平は色鉛筆を使って制作を行います。 色鉛筆は、油彩や日本画などの他の表現媒体では生み出すことのできないマティエールと色を持ち、様々な宝石や草花によって絵具を作り出していた頃に近い色を出すことを可能とします。
夏目は一枚の紙という平面の中に、作品世界をひとつの広がりを持つ空間として生み出すことを追求して制作に向かいます。 画面から浮かび上がる繊細な柔らかい質感と、削るように何度も色を重ねることで生み出す強度が放つ光沢は、見る者の目を惹き付け、捉えて離しません。
夏目にとっての絵画とは、それ自体が単体で立ち上がることのできる強さを持ちながらも、いつかは消えていくことが運命づけられた有限の命を持った生き物です。 彼にとって絵を描くという行為はすなわち命を紡ぎだすことであり、生きていることそのものでもあるのです。 そこには祈りと慈悲があります。
静謐さの中に命の鼓動と温かみを感じるその世界は、生と死、破壊と再生、動と静が完全に調和した均衡に存在する聖域となって私たちを圧倒的に包み込みます。
メグミオギタギャラリーでは初となる今回の個展では、120cmを超える大作を含む、若い牡鹿やハチドリを描いた作品等、渾身の8点を出品致します。
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