藤城嘘は1990年、香港出身の父親と日本人の母親のもと、東京で生まれました。ポスト冷戦世代として、そしてデジタル・ネイティブの世代として、彼の創作にはグローバルな文化状況とインターネットに代表される情報技術革新が大きな影響を及ぼしています。
藤城は、デビュー以来一貫してキャラクターをモチーフに取り上げてきました。 彼にとってキャラクターは個人的な欲望の対象であるとともに、現代社会を生きる人間のありようを反映する一種の自画像でもあったのです。それゆえその表現は、魔術的な欲望を喚起する存在としてキャラクターを召還しつつ、一方でキャラクターと都市/風景/言語などのモチーフを通じてその生産と消費をめぐる社会的/文化的諸関係を美学的に考察するという両義的なアプローチをとって来ました。
本展に出品される展覧会タイトルと同名の新作絵画シリーズ「キャラクトロニカ」はそうした藤城の実践を象徴する作品であり、 キャラクターの存在条件をめぐる新しい物語を紡ぎだす試みでもあるのです。
「キャラクトロニカ」展は、会場の構造を活かした2部構成となっており、ギャラリー空間では上述の新シリーズに加え、3.11 後に被災地を訪れた経験をきっかけに制作された2枚組の大作「Day」と「Night」などの絵画作品を展示します。そしてラウンジ空間は藤城の過去作品やドローイング、作品制作の資料、収集物などがインストールされたカフェエリアとして機能します。
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