頼りなげな細い描線でありながら、深い覚醒と愛、確信に満ちた自由のエネルギーが宿っている。アリシア・ベイ=ローレルの絵は、時代を超えたスタンダードです。
1960年代、ヒッチハイクの旅でカリフォルニア北部のウィラーズランチへたどり着いた彼女。電気も水道もない森のなか、自由人たちが畑を作り、牛や馬を飼って生活していたそのコミューンでの生活を通し、20歳の彼女は自然のなかで生きる手引き書を絵とテキストで丁寧に綴りました。それが1970年の名著「地球の上に生きる」の誕生です。
飲み水の集め方や食糧の貯蔵法、せっけんの作り方や薬草の利用法など、人が自然のなかで暮らしていくための叡智を綴るこの傑作は、ヒッピーのバイブル「WHOLE EARTH CATALOG」を創刊したスチュワート・ブランド氏の目に留まり全米でヒットします。それ以後もアリシアはアーティスト、ミュージシャン活動を通じてシンプルライフを草根の的に提唱し続け、近年のエコムーブメントの中でap bankフェスに招かれるなど盛んに再評価されているところです。
本展は2009年に開催した同名展を、彼女の来日に合わせて再度、GALLERY SPEAK FORで公開するものです。「地球の上に生きる」に使われた伝説的なドローイング原画約15点に加え、近作のドローイング約10点も合わせて展示・販売いたします。また人気を集めているコラボTシャツや雑貨類、音楽CDなども紹介・販売いたします。
Alicia Bay Laurel(アリシア・ベイ=ローレル)アーティスト/作家/ミュージシャン
1949年、米カリフォルニア州生まれ。ヒッピーカルチャーを牽引したコミューンのひとつ「ウィラーズランチ」での生活体験から、自然の中で生きるための手引き「地球の上に生きる」を70年に出版し大反響を呼んだ。以後、ドローイングや音楽でスローライフの思想を伝え続ける。日本語訳著書に「地球の上に生きる」「太陽とともに生きる」(ともに草思社)がある。2009年10月、GALLERY SPEAK FORにて原画展を開催。その他、ap bankがプロデュースする環境と暮らしを考えるプロジェクト「kurkku」の企画でライブイベントを行うなど日本での活動も勢力的に続けている。
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