子供のとき植物や昆虫をずっと見ていた。いまもたまにじっと見るときがある。
なぜなのか分からないが生きてれば喉が渇くようなもので、そういったものを補給せんといかん時があるのでしょう。
落ちている潅木、河原で何かを漁っているカラスの大群・・・何にも意味はないけど。
10年位前、遠い異国の田舎の原っぱで夜歩いていてしょっちゅう仲間とはぐれた。
天の川が見えて流れ星も見えた。
人間の気配が全くない。
その度にこのまま死ぬのかな?と思ったけど別にそれでもいいと思った。
なるようにしかならないから、このまま闇に同化しようとしていた。
ある時、仲間とはぐれ歩き疲れて独りじゃがいも畑に座ってじっとしていたら鹿が鳴いた。
午前2時、畑の真ん中。
ありえない通行人が自転車でやってきた。
駆け寄って「・・・はどっちですか?」と尋ねたら通行人は無言で指差して立ち去った。
その通り行くと約一時間ほどして仲間に出遭った。
尋ねた町と全然方角は違っていたのに。
何かを感じた。
だけど理解したくなかったからそのままにした。
そういった話なのです。
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