川久保ジョイの作品は英語の"Crisp"という表現が合います。そのまま訳せば「歯切れ良くパリっとした」感じですが、同時に「脆い」という意味もあります。川久保は撮影を「孤独な行為」と考えています。例えば夢の中で夢を見ているのだなと気づく瞬間のように、または誰もいない劇場を見ているときのように。このような形而上学的な感覚が写真を撮り続ける理由と語る川久保の作品は、隅々まで強く明確で、どこまでも脆く儚い空気を纏っています。
本展では、2つの異なるシリーズの作品を発表し、水と光のメタ的ループを会場内に展開いたします。一つ目が従来のwaterfrontシリーズの延長として、色々な都市の湾岸エリアを撮影した都市風景写真です。これらは風景と言うよりは都市論の文脈で考えられ得るフィールドワークとも捉えることができます。もう一方では光そのものを対象とし、あるいはより俯瞰したメタレベルから光を扱うコンセプチュアルな作品群を展示いたします。 これらは光自体を作品の題材、素材、道具にして、写真というものの本質を別の側面からとらえようという試みでもあります。
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TEL:03-3797-1507
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