木村太陽は、日常にある何気ない出来事や事象、経験のなかに内在する違和感やそこから生まれた感情を切り取り、身近にある素材(方位磁石やぬいぐるみ、はかり、ハサミ、計算機などの日用品)を用いて作品へと変換させます。木村のスケッチブックには、日記のように毎日の日常生活のなかで目にした出来事や感情、そこから派生した空想世界のイメージなどが木村のフィルターを通して隙間なく描かれています。
作品には、一見ユーモア/ブラックユーモアにあふれ、私たちを笑いの渦へと引き込みながらも、そこには現代社会の不条理性、不快感や不安が明確に表現されています。
木村はこれまでに身体を物質的な要素と捉え、自身または他者の身体の一部を表した作品を多く制作してきました。近年ではその反動のように、人間の内にあるかたちにならないものに興味を持ち、脳内で意思とは別に身体を拘束、コントロールする事象や夢の中での体験、または目に見えない何かのルールにしばられているような自身の感覚などを描きとめてきました。 今展覧会ではその膨大なスケッチブックのなかから選出し、作品化した新作を発表いたします。
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