開廊第1 回展「リチャード・リンドナー 版画展」から4月に好評のうちに終了した「ON PAPER2012」に至るまで、これまで268 回の展覧会を開催してきました。開廊当時より数多くの展覧会を企画し、特にまだ日本では馴染みの薄かったイギリス現代作家の紹介と普及に努めてきました。27回展覧会を開いたデイヴィッド・ホックニーを筆頭に、リチャード・ハミルトン、ピーター・ブレイク、アンソニー・グリーン、ルシアン・フロイド、ブリジット・ライリー、ナイジェル・ホール、パトリック・コールフィールド、ボイル・ファミリー、フィリップ・キング、デイヴィッド・ナッシュなど、イギリスのトップクラスの作家の展覧会を継続的に行ってきました。また、イギリス以外にも、オットー・ディックス、ポール・デイビス、ホルスト・アンテス、セザール、アントニオ・セギ、ジェラール・ティテュス=カルメル、ウォーカー・エバンズ、トニー・クラッグ、キーンホルツなどの海外作家を紹介してきました。
その一方で、新たな日本人作家の才能を見いだし、彼らの発表の場を提供してきました。開廊翌年の1975年に開催した草間弥生の帰国第1 回個展「冥界からの死のメッセージ」、篠原有司男の渡米後の初個展、実験的なテーマ展として注目を浴びた「本・オブジェ展」をはじめ、榎倉康二、鴫剛、 久里洋二、若林奮、中西夏之、横尾忠則らの展覧会を開催、また、昨年紫綬褒章を受賞した舟越桂をはじめ、深井隆、神山明、下川昭宣ら先進的な立体作家の展覧会も精力的に開催してきました。そして、90 年代後半から現在に至るまでは、小林孝亘、押江千衣子、三沢厚彦、町田久美、曽谷朝絵、指田菜穂子など、昨今の美術界を牽引し第一線で活躍している作家たちのプロデュースに力を入れ、彼らとともに画廊も発展してきました。
画廊の企画部門であるAPSでは、「ポール・デイビスの世界展」(1987年、新宿・小田急グランドギャラリー他)や「ホックニーのオペラ展」(1992 年、Bunkamura 他)、「デイヴィッド・ナッシュ音威子府の森」(1994 年、神奈川県立近代美術館他)、「桑原甲子雄写真展東京・昭和モダン」(1995年、東京ステーションギャラリー)」、「アンテスとカチーナ人形」(2004 年、高松市美術館他)など、多くの巡回展をプロデュースしました。
西村画廊は38年という時代の変化の中で、常に流行に左右されず、本当の意味で新しく、オリジナリティを持った作品を紹介し続けています。今回の展覧会「35年プラス」では、西村画廊の35年プラス約2年半の歴史を、およそ800点のカラー図版でたどるビジュアル画廊史『西村画廊35年+』の刊行を記念するとともに、現在のレギュラーメンバーである7 名の作家、押江千衣子、小林孝亘、曽谷朝絵、指田菜穂子、舟越桂、町田久美、三沢厚彦の最新作を展示することで、西村画廊の歴史を回顧するのではなく、38年目の現在をお見せします。
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