出会うはずのなかった物や出来事や人がそれそのままの状態で出会う場として設定されること。
金氏徹平
シュウゴアーツでは金氏徹平の個展「Something on the Planet」を開催いたします。
金氏は、すでに何らかの用途や役割を持つ既製品(プラスチック製品、木材など)を集め分解し、特定のルールに基づき接続、再構築することで、本来のそのものが持つ意味とは別の意味を持たせ、新しい存在へと変化させる作品を発表してきました。
「人でも物でも、ある出来事や状況の変化によって、別のものとしての役割を与えられることは恐怖を伴いますが、とても解放感のあることだと思います。」と金氏は言います。昨年チェルフィッチュの岡田利規とダンサー森山開次の舞台「家電のように解り合えない」にて舞台美術を担当したことで、舞台上でのフィクションとノンフィクションのめまぐるしい変転に興味を持ち、それらが複雑に入れ替わった結果もはやどちらともいえない状態になったり、単純に同じものが状況や時間の変化でフィクションにもノンフィクションにもなるというようなことに対して可能性の広がりを強く持ったという金氏。
今回の展示では、ギャラリーという、現実と地続きというよりも現実から遮断されている場所に今までよりも直接的に触れることで、どこでもない場所としてのギャラリー空間に劇場としての要素を持ち込み、多スケールの事象を遭遇させ、作品に新しい役割を演じさせます。マンガのオブジェクトを積み上げる彫刻、架空の舞台美術の模型、映像、反射材やレンチキュラーを使ったコラージュ等の新作を、多くの出来事や状況を巻き込みながらドラマティックに展示する金氏の、シュウゴアーツで2年ぶりとなる個展をこの機会にぜひご高覧下さい。
金氏徹平
1978年京都府生まれ。
2003年京都市立芸術大学大学院修士課程美術研究科彫刻専攻修了。
主な個展に、2007年金氏徹平展 splash & flake(広島市現代美術館[ミュージアムスタジオ])、
2008年TEAM10 金氏徹平『Ghost In The City Lights』(トーキョーワンダーサイト渋谷、東京)、
2009年溶け出す都市、空白の森(横浜美術館、神奈川)、
変成態-リアルな現代の物質性 vol.6 金氏徹平(ギャラリーαM、東京)、
2010年Recent Works Post Something(シュウゴアーツ、東京)、
Ghost in the Museum(兵庫県立美術館)、
2011年Ghost in the City Lights(Eslite Gallery、台北)、
POST-NOTHING(Roslyn Oxley9 Gallery、シドニー)。
主なグループ展に2005年横浜トリエンナーレ [アーティストユニットCOUMAとして参加](山下埠頭、神奈川)、
2007年 笑い展:現代アートにみる『おかしみ』の事情(森美術館、東京)、
美麗新世界:当代日本視覚文化(北京、広州)、
2008年MOTアニュアル 解きほぐすとき(東京都現代美術館)、
2009年 Platform 2009 Project by Invited Curators(KIMUSAほか、ソウル)、
TWIST & SHOUT(Bangkok Art and Culture Centre、タイ)、
2010年レゾナンス 共鳴 人と響き合うアート(サントリーミュージアム天保山、大阪)、
2011年Making is Thinking(Witte de with、ロッテルダム)、
Singapore Biennale(National Museum of Singapore、シンガポール)、
世界制作の方法(国立国際美術館、大阪)、
六甲ミーツ・アート 芸術散歩2011(神戸)、
赤塚不二夫マンガ大学展(京都国際マンガミュージアム)、
2012年Sculpture by Other Means(One and J Gallery、ソウル)など。
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