鳥巣貴美子は1989年愛知県生まれ。ドイツのブレーメン芸術大学での短期留学を終えて
2012年、名古屋芸術大学美術学部洋画コースを卒業。現在は愛知県にて制作活動を行う。
<苔に森をみること>
アトリエで鳥巣貴美子は雑草を育てていた。
アトリエの、白い人工樹脂でコーティングされた床に手のひらほどの黒い土を盛り上げ、そこに草を育てていたのである。
気をつけて水やりをしないと枯れてしまう、といいながら、頼りなさそうに生えている草を鳥巣は静かにみつめていた。
ときには2m角を越える大きなキャンヴァスに鳥巣が描きだすのはその草である。
実寸をはるかに越える大きさで画面に大胆に配置される草の姿は、草でありながら草ではない。
苔をじっと見ていると森のようにみえてくる、と語る鳥巣にとって、草もまた、未知の世界の樹木のようにみえるのかもしれない。
白を基調とした淡い色彩が特徴的な作風だが、にもかかわらず画面から伝わってくるのは強さと自由奔放な躍動感である。
のびのびと大胆にキャンヴァスを横切る筆線は、生命を写しとることの喜びという、まさに絵画の原点ともいえる情熱に支えられているのである。
鳥巣にとって初の個展となる今回はペインティング3点およびドローイングからなる展示を予定している。
*初日5.15は18時より開廊いたします。オープニングレセプションは開催いたしません。
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