高橋将貴はこれまで衣裳やデザインされた物を、一つのテーマに絞り絵画や立体を制作してきました。また高橋はそれら衣裳や物を白地の無背景に配し、極力それ以外の情報を省く事で物の形を際立たせる図鑑のような手法を用いてきました。
今回の「Arms」では、戦争に関するモチーフから選び取られています。甲冑や武器には本来の目的とは別に独特の美が備わっています。それは現在のアニメの戦闘キャラクターにも見て取る事が出来ます。しかしながら今回も高橋らしい選択がなされています。直接的な武器というより、勲章や要塞といった間接的とも言えるイメージが選び取られ類型化されているのです。高橋の朴訥なタッチにより、本来の意味がはぐらかされたそれらのイメージは、形の面白さや多様な美しさがかえって強調されています。また時間的にも、現在よりも少し前の物を選択しています。ある程度固定化したイメージが、より多くの人に共通の認識を与えるからです。高橋将貴の「Arms」展から、デザイン・衣裳などの形が持つ美しさや楽しさを感じて頂き、その後にそれらの意味や歴史に思いを馳せて頂ければ幸いです。
高橋将貴略歴
1973 東京生まれ
1996 東京造形大学造形学部美術学科彫刻専攻卒業
個展
2007, 8, 11 GALLERY ZERO
2004 「project N 18 高橋将貴」東京オペラシティアートギャラリー
2003 「スーツとヘルム」リトル・モア ギャラリー、 東京
その他
2008 カバーイラスト 「カルトの森」目黒条 著 徳間書店刊
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