経験することとは何でしょうか。
わたしたちは3.11に地震があったことで東日本の大多数の人たちと同じ経験を共有しました。
しかし実際被災地に行ったわたしは悲惨な風景を目の当たりにして、それを経験しなかった人間があとからわざわざ見に行くところではないように感じました。
またある作家が、原発反対のストや被災地ボランティアには直接出向くことが出来なかったけれど、その上で3.11に対しての作家としてできる活動について話そうとすると、ストやボランティアを行った人に「経験もなしに語るな」と言われ、その反応が大変興味深かったとも語っていました。
現代において経験とはその多寡や種類でさまざま線引きをしたり、判断してひとをつなぐよりもむしろ人との境界をつくるための指標になっているようにも思えます。
しかしながらこの展覧会では3.11も大きなくくりでの過去の経験の一つとしてとらえ、経験すること、作ること語ること記すことを考えてみます。
2011年に更なる飛躍をした若手アーティスト12名が3.11以降に制作した作品を通し彼らのそれぞれの経験の線引きの場所、境界を見つめます。それにより、すべての人の昨日あったことに漠然と存在する共通意識も見えてくるのではと考えます。
Artists
池田拓馬 太田祐司 数見亮平 奥田栄希 高川和也 田中健吾 中島健 中村土光 永畑智大 藤井健太 大和武司 BARBARA DARLINg
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