この展覧会は、参加アーティストが作品を持ち寄るような、いわゆるグループ展ではありません。
複数のアーティストによる展覧会ですが、この展覧会の展示品は四〇センチ平方の壁画、一点だけです。しかしそれは一つの最終形を目指す、いわゆる共同作品ではありません。会場となるのは、東京・秋葉原、廃校を活用したアートスポット、アーツ千代田3331内にあるギャラリー『アキバタマビ21』の廊下の壁。六人のアーティストたちが一ヶ月間、かわるがわる展示壁画の更新を行います。
展覧会開始と共に展示壁画の制作は始まり、会期終了までの間、参加アーティストは各々のタイミングで区切られた対象壁面の前に立ち、壁画に手を入れます。壁画制作に訪れる一回一回を「個人制作」のスタンスで、その都度の壁画の状態を新しいスケッチブックの1ページとし、一期一会の刺激から、参加アーティストの一人一人は各々の「描き」を生みます。誤解したり誤解されたり、潰したり潰されたり、仕掛けたり仕掛けられたり。そうしたいろいろな関わりの常々が、展覧会『40×40』の途中経過でありながら、その都度が完成の状態、それぞれの到達点。
あなたがこの壁の前に立った時、壁画は一体どんな姿を見せているでしょうか。訪れたあなたが立っている、正に同じ場所に少し前、六人の参加アーティストの誰かが立ち、触れていた壁。そしてまた、すぐにでも同じ場所に誰かアーティストが立ち、描き、豹変するかも知れない壁。あなたが訪れた時ひょっとしたら、参加アーティストの一人が絵を描いているかも知れません。どうぞ会期中、何度でもお立ち寄り下さい。
◎参加作家
泉太郎、荻野僚介、鶴崎いづみ、長谷川繁、水谷一、山下香里
〒101-0021 東京都千代田区外神田6丁目11-14
3331 Arts Chiyoda 2階 201・202
TEL : 03-5812-4558
WEB :http://akibatamabi21.com