豊田奈緒は、現在、東京造形大学在籍中の若いアーティスト。
暗い色調と揺らめきに支配された画面は、魔物が棲む魔界のような印象を受ける作品も多く、妖しく幻想的な世界を映し出し、死を想起させる作品もあれば、新たな命の芽吹きを感じさせるものもある。画面に纏う雰囲気はヨーロッパの幻想的絵画を思い起こさせるが、リアリズムを基調とはせず和洋を融合した先の潮流を感じることができます。
作家自身まだ若く、少ない経験より思い描かれた空想の世界は、それ故に強固なイメージに基づいており、作品は現代の奇想画となって生まれ出る。
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私は物語を描く。
目には見えないどんな物語でも空想でも、私は絵画によってイメージを再現する。
私の描く世界は「 楽園・失楽園・異界 」などの物語である。どの物語も醜く滑稽なものだ。そのような物語の断片を、私はすくい上げる。「物語世界」にこそ、表現したい世界の全てがあるように感じている。
こうした方法は古代から用いられてきた絵画の構築法として「根本的」な、考え方である。20世紀はその考え、方法が排除される時代であった。しかし私にとって現代の「絵画」とは前記で述べた、「根本的」な構築法で描くことなのである。
そうした方法が古い方法としてではなくまた新たな流れとなって、新しい絵画に必要になっていると私は考えている。
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