増子博子は、1982年に宮城県に生まれました。2008年に宮城教育大学大学院教育学研究科教科教育専攻美術教育専修修了。現在、岩手県宮古市在住。
増子は、動植物のキメラのような姿の盆栽や「盆栽が去った後」の空の盆栽鉢など、独自の切り口でその盆栽像を展開させ、そこに見られる新鮮な造形と緻密な描写は早くから注目を集めてきました。2011年には広島市現代美術館主催の「ゲンビどこでも企画公募2011」に入選し、映像作品によって表現域を更に広げ、また、アートイベント「アート@つちざわ」では、ただならぬ空気を醸し出す「土澤盆栽」を完成させるなど、今後の活動からも目が離せない気鋭の作家です。
2011年、震災により瞬く間になくなった街がある。
時代や雨風によって静かに風化していく街がある。
そこにはまた、新しい風がごうごうと吹き込んでいる。
そいつは目ん玉お化けのように、ギロリ、パチクリと私らを見ている。
私はそれを見返した。
2011年3月末、私は岩手県宮古市へ引っ越した。
たくさんのモノとヒトの移動、新しい交流。
新しい街より、風を感じていただける展示にしたい。
(増子博子)
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