この展覧会タイトルの元となった1990年のアメリカ映画『ホームアローン』は、赤羽と尾竹が幼少期よくテレビで放送されていた映画のうちのひとつです。その中で、主人公の少年ケビンは広い家の中のそこかしこに罠を作り、たった1人で泥棒を迎え撃ちます。ケビンは最初はおびえながらも、その戦う姿は勇敢で、楽しそうで、どこか遊んでいるようにも見えました。
赤羽と尾竹にとって現実の世界は、時に不安にまみれたおぞましいものとして映ります。同じように自分たち自身のことも、不安にまみれたおぞましいものとして見えているといいます。彼らの作る作品とは、そんな現実世界や自分自身と戦うための罠のようなものなのかもしれません。そんな彼らの、遊びながらも、戦っているような態度は、私たちにこの逃れられない現実をいかにして乗り越えるのかを示唆してくれることでしょう。
〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14-2F 3331 Arts Chiyoda 205