現代の情報化社会のなかで、実体を失い浮遊している肉体のイメージを抽出し、コラージュとして再構成すること、川上雅史の制作はそこから始まります。コラージュしたイメージに極端なまでのデフォルメを加え、観念としての肉体イメージをあぶりだしていくのです。グロテスクでありながらどこかユーモラスな要素をあわせもつ、それらの「肉体」は、人間のそれではない、あたかも別の不思議な生命体のように作品のなかでひそやかに呼吸を始めます。肉体の官能性は何に起因するのか、肉体そのものに果たして官能性は存在するのか。
暴力と官能に彩られた肉体表現が仮想空間に氾濫する「脳化社会」のなかで、私達を刺激し続ける肉体の誘惑、そして同時に私達が感じる嫌悪感。誘惑と拒絶という二律背反的なテーマを、シュールレアリスティックに表現しながら、川上雅史の作品は、肉体表現のリアリティとは何かをあらためて問いかけます。
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