高島進は1959年兵庫県生まれ、84年に武蔵野美術学園油絵科を修了。87年にはアジェンデ美術学校にて1年間留学。主な受賞歴は、第2回昭和シェル石油 現代美術賞展/奨励賞(1997年)、第14回多摩秀作美術展/大賞(2000年)、第11回青木繁記念大賞公募展/優秀賞(2002年)などがあります。
高島はここ15年程、クラシックの器楽曲の題名からヒントを得て「メディウムのための ドローイング」というタイトルの作品を発表し続けています。道具、或いは素材(メディウム)は普通、絵を描くための無色透明な手段としてしか考えられてい ません。しかし高島は、メディウムは無色透明で無性格などではなく、そこには作られた目的に伴った意志があり、それと共に、目的をずらせば目覚めるような 意思も無数に存在すると考えます。それらが制作を後押しする事もあり、「メディウムのためのドローイング」というタイトルには、そのような意志、或い は意思を、一部でも覚醒させて表現したいという意図が込められています。
作品は主に、筆を使った「筆、インクと紙のためのドローイング」 と、色鉛筆を使った「鉛筆削り、色鉛筆とキャンバスのためのドローイング」に分けられます。 筆の線はインクを含んでいるため、描き始めが太く、だんだん細くなり、かすれていきます。逆に色鉛筆の線は、鉛筆削りで削り尖らせるため、最初が細く、 徐々に太くなっていきます。
高島は、素材の構造により、太さが変わっていくそれぞれの線の在り方を、素材の意思の核と考えます。それを反復して強調する事で、紡ぎだされた線の結晶体というカタチに変換して表現しようとしているのです。
最近では、鉛筆の芯のグラファイトが銀に代わった「銀筆」という素材と出会い、「メディウムのためのドローイング」の新たな境地を切り開こうとしています。
本展では「筆とインク」、「色鉛筆」、「銀筆」による三つの構成からなる約15点を展示致します。
所在地: 〒104-0031 東京都 中央区京橋1-9-5白銅ていビル1F
TEL: 03-3567-0028
URL: http://www.gaden.jp/hakudohtei.html