二重、三重に重ねられたフィルムを少しずつずらすことによって現れる、
黒い境界線のあいだに閉じ込められた人影。
この囲われた舞台の上で、人影は止まったまま踊り続けている。
フィルムという「もの」を静かに見つめ続けた末に浮かんでくる、
その舞台としての狭隘さ、あるいは広大さの可能性について。
「多重露光」や「フォトモンタージュ」とよばれる技法を用いて長年追い求めてきた、
「静」と「動」の間にあるもの、また静と動の間そのものを捉えようとする試み。
村松桂 Muramatsu, Katsura
1978年東京生まれ
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