1987年、埼玉県に生まれた平川は、多摩美術大学を卒業、現在は東京藝術大学大学院修士課程に在籍しています。高校卒業時よりGEISAIに参加するなどし、予備校・学部在学中には多くの企画に参加または主催しています。主な活動に、山手線外回り車両で開催した「電車展」、原爆の図 丸木美術館で開催した個展があるほか、2011年に入ってからも、個展「FOXのちから」(Bambinart Gallery)、二人展「第2回、道徳展」(Art Center Ongoing)、個展「ANA MEETS ART」(羽田空港ANAラウンジ)を開催、また展覧会とバスツアーを敢行した「アートが山をのぼること」(日蓮宗大本山清澄寺・釈迦寺)を企画するなど多彩な活動をしています。
本展では、「豊かな絵画と、豊かな世界」と題し、今年3月より制作してきた作品を紹介いたします。本展の出品作品の題名の大半をしめる『どこから来たか、どこへ行く』は、ポール・ゴーギャンの大作『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』を連想させます。この題名について平川は「画家は、闇を描きながらも光を描き、光を描きながらも闇を描く、常に理想の絵画と世界を夢見るのです」と話しています。
平川は以前から神話や物語に深い関心があり、過去の作品にもジョーゼフ・キャンベルの「神話の力」やミヒャエル・エンデの「The Neverending Story」などからの引用がみてとれます。そして、それらの内容を用い現代の社会問題などを表現してきました。本展は、震災後作家が常に考えてきた「豊かさ」とは何かをテーマに、人類の物語を描き出します。
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