前田さつき(1976年神奈川県生まれ、多摩美術大学版画専攻卒業)は、繊細なテクニックと大胆な構図により新しいボールペン絵画の世界を切り開きました。人間の心の奥に眠る欲望をくすぐるようなその世界観は国内外で評価され、近年では個展の他に「第11回伝統からの創造 21世紀展」(東京美術倶楽部/国内巡回)、「YOUNG JAPANESE POSITIONS」(MICHAEL SCHULTZ GALLERY SEOUL/韓国ソウル)等のグループ展に招かれました。また、小説家 団鬼六氏の遺作となった『花唇の罠』(2011年サン出版)の表紙も飾っています。
「夜の花は何色?夜の花は何を想う?誰を想う?」
夜の花、花魁。彼女たちの悲喜交々。モノクロで描かれた彼女に何色を観る?
美しい?切ない?強い?儚い?悲しい? アタシ達、どう観える?
「哀しみを抱えても 悲劇に溺れても 花咲く準備は出来ている
怒りに焼けついても 不安に目隠しされても 優しく花は咲くでしょう」
-前田さつき
昨年の個展「ユメウツツ」では、緻密な描き込みと柔らかな色使いでファンタジックな世界を描き、生と死そして夢と現実の間をさまよう魂を表現した前田。一年ぶりとなる本展では、「花魁」をテーマにその光と影を描きます。華やかで悲劇的なイメージゆえにこれまで幾度となく描かれ、我々を魅了し続けてきた花魁という存在。そこには時代を超越し人々の心をとらえる普遍的な要素があると言えるでしょう。前田の描く花魁はどのような花を咲かせるのでしょうか。
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