光沢のあるサテン布と染料などを用いた独特な質感の絵画で知られる横内賢太郎氏。「文化的接ぎ木について」と題された今展では、新たなテーマと、より幅広い素材を含む最新作を発表。
オークションカタログにあるイメージや過去の文化的混交のイメージの、デルフト焼きやジャポニズム、南蛮図、聖人像や大航海時代などに関連する、近代的歴史背景のイメージをふたたび「絵画」という日本的な土壌に接ぎ木する。これまでのサテン布と染料などを使った絵画作品から展開し、最新作では木炭や油彩、その下地塗り材などの西洋絵画由来の素材との関係をつくることで、バックグラウンドや下地になじむかたちで物質的な接ぎ木の状態とする。
「それらは一見ちぐはぐではあるけれど、先人の生み出した「まだらな欲望」を受け入れ新たなフレームの生成を試みることで、現在においても過渡期的、接ぎ木的な状態の表現を生み出すことができるのではないかと考えています。」
そのさまざまな試みの「文化的接ぎ木について」の作品群による第一弾の展覧会。
横内 賢太郎 略歴
1979 千葉県生まれ
2002 武蔵野美術大学 造形学部油絵科 卒業
2004 京都市立芸術大学大学院 美術研究科 修了
2007 京都市立芸術大学大学院 博士(後期)課程油画領域 修了
2008 VOCA賞 受賞
現在、三重県いなべ市在住
東京都新宿区西新宿3-18-2-102
TEL:03-3378-6051