半田真規は出会った風景や物事を契機として、そこに自らの感覚を開き、時に支離滅裂で流動的な世界を作品化します。本展では、半田がかつて海老名あるいは代々木上原のモスクで見た<150面体>を、欧州で探し、アンダルシアでそのシルエットを集め、六本木で再構築を試み、天井高ぎりぎりの高さの構造物を中心とした回廊的インスタレーションを展開します。
今回の展示の中心要素<150面体>は、イスラム教徒にもあまり広くは認知されていないイスラム教のシンボルのひとつであり、通常、各面にアッラーの99の美名が書かれます。世界各地に数多あるイスラム圏の都市、そこで日々繰り返される信仰と日常の営みを、半田は「言い表せない大きな枠と幾重にも重なるレイヤー」と感じ、さらに「どんなものも表面の表面までは説明できない、物事や宇宙は人の気を知らない。」と語ります。イスラム世界にとどまらない地球儀的世界図としての<150面体>を、直径、高さともに3m程度の真鍮とガラスで構成、コールタール、バターミルクで彩色し、これに付随した真鍮やタイルで構成した作品とあわせて「六本木モスク」と題したインスタレーションとして提示します。
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