今度の展覧会では、1999年に一度制作した「しりとりおきもの」の続きと、最近始めている鉛筆のドローイングを同時に展示します。
しりとりは最後に「ん」の付く言葉以外を、ずがいこつ>つくし>しこく、という様にしりとっていきます。「しりとりおきもの」とはこうやって、並ぶことになった様々な物(事)を言葉の状態から、おきもの化し、質量のある状態にする作業です。また、おきもの化することで様々な物(事)に平等に空間を共有させる事が出来ます。
鉛筆のドローイングでは、潮の満ち引きの様子を、絵らしく、いらないと思ったものは省きつつ、わりと任意な手の動きで描いてみます。これは、周期的な潮汐に個人の(鉛筆の)時間を落とす作業でもあります。
性格の異なるこの2つが同時にあると場はたいへんへいたんになるし。
伊藤 存
本展では、伊藤の造語である「しりとりおきもの」という名の粘土で作られた置き物が並び、壁にはモノクロームの鉛筆画が展示されます。ここ数年の展覧会では、布に刺繍を施した作品をはじめ、アニメーションや小さな立体作品を比較的多く発表しましたが、今回は「置き物と鉛筆画」という新しい試みに取り組んでいます。
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