気が遠くなる程長い間論じられてきた絵画における「光」という要素。谷口はその
「光」を独自の方法で描きます。何層にも塗り重ねられたアクリル絵具の表面を削り、
下の層の色を出すことでイメージを浮き上がらせる谷口の作品は、普通に描くことで
は出せない「光の滲み」が見事に表現されています。一般的には漆で使われる「研ぎ
出し」という技法を応用して作られるこれらの作品は、工芸品のような完成度を誇り
ます。
一層一層重ねられ、そして削り取られていく画面には、コントラストと緊張感が光の
塊となって浮かび上がります。暗闇に埋もれる対象物は、光を得ることでその存在を
主張し始めます。
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