根津美術館では、開館70周年を記念する展覧会の第一弾として、今春2011年4月16日(土)から5月15日(日)まで、当館が誇る国宝「燕子花図」と、米国・ニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵される「八橋図」を、一堂にご覧いただく『KORIN 展 国宝「燕子花図」とメトロポリタン美術館所蔵「八橋図」』を開催します。
国宝「燕子花図」は、尾形光琳(1658~1716)が生んだ日本絵画史上の名品です。伊勢物語の「八橋」の場面を発想源として、六曲一双の金地の屏風に、群生する燕子花のみが鮮烈に、堂々と描き出されています。
この作品を描いてから10数年後、光琳は同じテーマに基づく屏風絵の制作に挑みました。メトロポリタン美術館の「八橋図」です。「燕子花図」とは異なり、八橋を暗示する川のモチーフとともに燕子花を描き、構成的かつ幻想的な画面を作り上げています。
本展では、大正4年(1915)光琳没後200年を記念とする展覧会で同時に展観されたあと、日本とアメリカを離れ、以後一度も出会うことのなかった「燕子花図」と「八橋図」がおよそ100年ぶりに再会します。同じテーマを、同じ六曲一双屏風に、時をへだてて描いた2つの作品。光琳の画風展開を目の当たりにできる待望の展覧会です。あわせて本展では、「燕子花図」以前の初期の作品や、酒井抱一編『光琳百図』掲載の作品によって光琳画の軌跡を展観します。
伊勢物語八橋図
尾形光琳筆
江戸時代 18世紀
東京国立博物館蔵
十二ヶ月歌意図屏風
尾形光琳筆
江戸時代 17世紀
個人蔵
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