都築響一の写真には、人間の生き様がある。
喜怒哀楽、趣味嗜好、老若男女が生きる曼荼羅世界だ。
タイ各地の寺院にある地獄のテーマパークは、一般の旅行ガイドブックには紹介されない「穴場」である。
信仰心や教育上の目的のため、あるいは怖いもの見たさの者達が訪れるこの場所は、地元の人達の手によって作られた巨大なセメントのオブジェで溢れている。
デフォルメされ色鮮やかに塗装されたアマチュアチックな造形は、どれもリアルな恐怖を喚起するが、同時にどこか懐かしくほのぼのとした情景を浮かび上がらせている。それは地獄というテーマ性を除けば、現地の人達の営みそのものを表しているようにも見える。誰に与えられたでもない世界の片隅で、どこにでもいる人間達が、どこにでもいるアーティストとして暮らしている、そんな日常の姿も見えてくる。
決してありふれてなどいない、どこにでもあるアートを撮り続ける都築響一の極楽地獄には、並みのアートでは敵わないのだ。
今展覧会は 神田岩本町の ZENSHI と2会場同時開催です。会場日時については違いがありますので、各会場の詳細をお確かめください。
展示内容について
GALERIA DE MUERTE ではカラフルなタイの地獄庭園の写真作品を多数展示いたします。
ZENSHI ではモノクロっぽくてアート色の強い大判プリントをご覧いただけます。
〒110-0015 東京都台東区東上野 3-32-1-3F
TEL : 03-3835-8278
http://www.galeriademuerte.com/