抽象絵画の切れ味のよさと、具象絵画のもつ親しみやユーモアを、 "いいとこ取り" であわせもつ荻野の作品世界。
春の萌しとともに、軽やかで、せいせいとした展示空間をつくりだしました。
丁寧に吟味され、整えられた色面構成のなかに、どこからともなく現れた謎めいた図形が "鼻歌を口ずさむように" 鎮座する、その緊張と弛緩のバランスが、荻野の持ち味。
気持ちのよいところギリギリの限界まで、要素を削ぎおとし、小粋なズラしの技をきかせた色とかたちのヴィヴィッドなセンスにご注目ください。
「僕が『やりたいこと』『描きたいこと』というのは
『声量のない大声』っていう感じかなあと。
『言いたいこと』、それから『言う』という行為は、
さらにその先っていう気がしています」
(荻野僚介 2000年)
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