我々の身の回りにある様々な問題に自ら取り組み、インスタレーション、立体、油彩、水墨など多面的に表現する笛田亜希。オリジナリティに富んだ発想と不屈のチャレンジ精神で、どんな発想も素材を駆使して作品にしてしまう。
その作品は現実体験を冷静に客観視しながらも人間味にあふれ、モチーフは生き物や日常風景などの、明確で誰の目にも理解しやすい作品が多い。
絶滅危惧種の動物達をとらえ「Animaless Zoo Project」と題したシリーズは彼女のライフワークとなっており、今回でProject #21となる。
実際に対馬諸島に泊まり込んで取材した「ツシマヤマネコ」を始めとする野生動物を始め、希少性の高い井の頭動物園在住の「ハナコ」の存在や、架空の妖怪「百鬼夜行」のシリーズもそのモチーフとなっている。中でも「ハナ子」を題材にした制作は彼女の作家活動の中枢となり、そのシリーズは2003年から今回の展示で6回目となる。現在も続く8年間におよぶハナ子との密な取材は現在も続く。
東京藝術大学、同大学院で油彩を学んだ。洞察力が鋭く、モチーフの本質を写実に基づき写生する心得は一流で、流行り廃りに流されない底力となっている。
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