このたび、Nanzuka Undergroundは、西武アキラによる新作個展 "Washed ashore" をメインギャラリーにて、山路紘子の個展 "in the side space"をギャラリー内ビューイングスペースにて同時開催致します。今回の展覧会において西武は、ギャラリーの壁全面を使ってのウォールドローイングを中心に、新作のドローイング作品を発表致します。また、山路は、145 x 130cm の新作ペインティング1点を展示いたします。
山路紘子は、1983年三重県生まれ、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修了したアーティストです。過去に「アートアワード東京」「群馬青年ビエンナーレ」(2008年)や、「所沢ビエンナーレ引込線」(2009年)などに出展し、高い評価を受けています。山路は、日常的な風景やモチーフを効果的にトリミングし、それらをリズミカルに再構築する手法で印象的な画面を作り出す若手アーティストです。マクロ的な視野とミクロ的な視点を同時に組み合わせながら生み出される抽象的な画面は、山路が繰り返す対象との対話の蓄積でもあります。
西武アキラは、1980年愛媛県生まれ、成安造形大学立体造形クラスを卒業後、CCA北九州を修了したアーティストです。これまで、「神戸アートアニュアル・ミルフィーユ」(2002年)、「群馬青年ビエンナーレ'05」(2005年)、「NO MAN'S LAND」(2010年)等に出展する他、海外ではデンマークのSENKO STUDIOでの個展(2009年)等、ウォールドローイングとドローイングを組み合わせた表現を軸に、精力的な活動を続けてきました。
一見無秩序に見える西武の作品は、身体的なメッセージと記号として捉えた様々な風景のイメージによって構成されています。宇宙空間を思わせる黒や白の画面に浮かぶパルテルカラーの細胞、あるいは洞窟や巨大生物の胃の中を彷徨う微生物、あるいは異星人の描く楽譜を連想させる西武の作品は、私たちの視覚の持つ不思議な機能に軽快に挑み、そのイマジネーションを掻き立てます。
西武は、今回の個展に寄せて、次のように語っています。
「Washed ashoreは、昨年のデンマークで展示したマンボウの数億の卵をテーマにしたMola Mola Momentの続編です。漂着した生き物や物体は、元の姿の一部を留めながらまったく別の存在になっています。表面が剥ぎ取られたモノの方が魅力的にみえるのです。流れ着いたもので出来た漂流鍋のようなドローイングになれば良いと思います。」
本展を、皆様にご高覧頂ければ幸いです。
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