伊藤園子は、秋田大学教育学部を卒業後、筑波大学大学院にて彫塑を学びました。大学院在学時から、自身の出身地である秋田と名産品のリンゴをモチーフに立体作品を中心とした制作を展開。手足が生えたリンゴには「ポメリー(フランス語でリンゴを表す「pomme(ポム)」から派生)」という名前が付いています。ポメリーが住むポメリータウンのほかにも、ミライアタウンやホリバータウンなどがあり、犬りんご族やホクジン、ヤギリンゴの神、旅人クージャーなど、とても魅力的なキャラクターたちが伊藤の作品世界を構成しています。
まったくの異世界ですが、とても身近に感じられ、親近感を抱くキャラクターたち。それは、わたしたちと同じように様々な感情を持ち、悩みも苦しみも喜びも存在する世界が舞台となっているからでしょう。
「ポメリーケーキ」(部分) 2010 樟、油絵の具
H175.0×W75.0×D75.0cm
今回の展覧会の舞台となるのは「デザーティアタウン」。秋田の港町に立つ灯台をイメージして制作された「ポメリーケーキ」には、秋田の風土や作者自身の幼い頃の懐かしい記憶が盛り込まれています。
このケーキに生息する、クリームやりんごの形の窓などにも名前がつけられ、それらの不思議な生き物達が登場する物語も存在します。
本展では、約1mの新作を含む立体作品と、絵画作品を展示いたします。
「ポメリーケーキ」(部分) 2010 樟、油絵の具
H175.0×W75.0×D75.0cm
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