『ミクロサロン』は、1961年12月に東京画廊で開催された展覧会のタイトルです。21名のアーティストに制作を依頼した小サイズの作品を、画廊の壁面いっぱいに展示した展覧会でした。銀行振込やカード払いなどの支払い方法がなかった当時、一年の支払いを済ませたお客様が、余った予算を持って、正月に飾る作品を求めご来廊されていました。
60周年を迎えることから、今回「60」という数字をタイトルに付けました。山本孝が東京画廊を開廊してから半世紀以上が過ぎ、『ミクロサロン』展に出品したアーティストや作品を購入したお客様の多くは鬼籍に入り、山本も1988年に他界しています。しかし、何十年も前に画廊で展示されていた作品が最近オークションに出され、また個人蔵作品として美術館に出展されるなど、再び私たちの前に姿を現しています。長い月日が経った今も作品は残され、人々を楽しませています。
今年、東京画廊+BTAPを支えて下さっているアーティストたちの協力のもと、『ミクロサロン』展を50年ぶりに復活させることになりました。日本の現代美術が誕生し新世代のコレクターが台頭した1960年代、『ミクロサロン』展は若いアーティストとコレクターの出会いの場でした。一方、21世紀の最初の 10年が過ぎ去った現在、アートバブルとも言われた時代が終わり、新世代のアーティストは新たな展開を見据えて、試行錯誤を重ねています。60周年という節目にあたって同展を開催することが、アーティストとコレクターの新鮮な出会いの場となることを願っております。
本展では、各作家に制作を依頼した小作品を展示する他、1961年のミクロサロン展の写真や、過去の展覧会カタログも並行して展示する予定です。また本展の開催に合わせて、弊廊の過去の展覧会活動の全記録を網羅する、『東京画廊+BTAP60周年記念カタログ(仮題)』を出版いたします。
1961年12月4日~12月16日「ミクロサロン」展
【出品予定作家(順不同)】
新正卓、関根伸夫、菅木志雄、小清水漸、黒川弘毅、林武史、瀧本光圀、松井紫朗、金田勝一、吉田暁子、佐々木卓也、西澤千晴、松浦浩之、大巻伸嗣、東亭順、古家万、山口理一、渡邊陽平、宮澤男爵、吉田茂規、栗原一成、北川宏人、平良美樹、こんどうひさし、高橋淑人、鈴木伸吾、荒木省三、古林希望、山田彩加、矢柳剛、岡本信治郎、李禹煥、朴栖甫、金昌永、沈文燮、高明根、蔡國強、袁順、宋冬、王舒野、呉強、大岩オスカール、杉山功 (計43名)
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