地面に横たわる木の枝を真っ直ぐ立てて置く。
ただそれだけでそこには自然に抗った磁場が発生する。
そのエネルギーの行く先を見据えるのが
自分がものを創る意味である、と語る吉原宏紀。
どこにでもある見慣れた木の枝を拾い上げ、
プラスチック製品のような人工的なコーティングを施す。
ディテールをキャンセルし簡略化されたその自然の造形は
まだ意味の付いていない"名もなきなにか"を顕在化させる。
それらのようないくつかの作品が
強い意志を持って響き合い、いくつかの言葉のない物語を
幽かに振るわす磁場が、ここにある。
どうぞ、この機会にご高覧くださいませ。
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