18世紀後半、安永・天明・寛政期の江戸には、浮世絵の喜多川歌麿、東洲斎写楽、戯作の山東京伝、狂歌の大田南畝(なんぽ)といった江戸文化を彩る花形スターが登場します。このスターたちの作品を巧みに売り出し、江戸文化の最先端を演出・創造したのが、版元の蔦屋重三郎でした。江戸吉原の人気ガイドブック『吉原細見』の独占出版、狂歌と浮世絵を合体させた豪華な狂歌絵本の刊行、当時の情勢を風刺した京伝らによる戯作の出版、歌麿の才能を存分に開花させた美人大首絵の発明、謎の絵師・写楽の"発見"など、次々と流行の最前線を創り出し、リードした人物です。本展では、この名プロデューサー「蔦重」の出版物を通して、多様な"江戸メディア文化"の華をご紹介します。
青楼十二時 続 午ノ刻
喜多川歌麿画
寛政6年(1794)頃
たばこと塩の博物館蔵
難波屋おきた
喜多川歌麿画
寛政5年(1793)頃
和泉市久保惣記念美術館蔵
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